「ウォンテッド」(原題:WANTED)はアメコミ(グラフィックノヴェル)の映画化としては昔ながらの手法を採っています。
カラフルなタイツに説得力を持たせるのではなく、そのタイツ自体をとっぱらったわけです。 (最近はタイツに説得力を持たせるのが主流。原作者が製作に噛んでるせいだろうけど) スーパーヒーロー(ヴィラン)は暗殺者へ。 ビームは銃に。 だからといって「アメコミ臭を徹底的に廃したアクション映画」にしなかったのがベクマンベトフ監督の偉い点。 タイツのかわりに普遍性を得たそこに残された漫画的精神は、原作に馴染みのない私にも充分馴染みのあるものでした。 ようするに曲がる弾丸は、曲がる気孔弾。 一晩であらゆる傷、怪我が回復する風呂は、仙豆でありフリーザ一味の回復ポッド。 突っ込みどころが山ほどある点や、その突っ込みどころ探しが「むしろ楽しい」のも一緒。 最大公約数的な意味であまりにも「ドラゴンボール」なので、近日公開らしいハリウッド版「ドラゴンボール」が色々な意味で心配になります。 最後に強敵との対決の構図がなかったのが個人的に残念(あくまで趣味の問題)だけど、導入部にリンクした結末の小気味良さと、主人公のモノローグが最後まで生きている構成はとても私好み。 中盤の修行シーンがやたら面白いのも特筆に価しますね。普通、あそこらへんがダレる箇所なんだけど。 内容とは関係なく残念だったのは、やたらスクリーンの馬鹿デカいシネコンのほとんど最前列で観る羽目になり、画面を100%追えなかったこと。 キャメラの激しい動きも手伝って、一部分は苦痛ですらありました。 (やっぱシネコンは後列にかぎるなぁ) 画面の端々に仕込まれた「言葉遊び」を再確認する意味でも、DVDを購入してのリベンジは必須かな。 あと巷ではアンジーアンジー言ってるけど、私はむしろマカヴォイ萌え映画だと思いました。 「アンジェリーナ・ジョリー最新作」とかまかぼい君カワイソー。 いやまぁ宣伝的にはわかるけどね。彼女の筋の通った役柄もまた格好良かったし。 最後に(短評なのに長くなったなぁ)、ラストのキメ台詞から流れるエンドテーマが格好よくて、久しぶりに足でリズムとってしまった。 変な芸能人が主役をアテてる吹替え版だとエンドテーマが差し替えられてるらしいので、字幕版を推奨しておきます。
by rushiha666
| 2008-09-30 23:43
| 映画感想‐アクション‐
|
by rushiha666
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