インクレディブル・ハルク

c0154066_059885.jpgインクレディブル・ハルク(原題:The Incredible Hulk)

従来のアメコミ映画の枠を飛び越えたのが「ダークナイト」だとしたら、あくまでアメコミ映画の枠にとどまり、アメコミファン、ハルクファンに目配せしたのが、本作。
それは、原作の設定を無視し、マニア(アメコミ&ハルクファン)の反感を買い、興行的にも失敗したアン・リー監督版の結果から選ばれた方向性なんでしょう。
その結果、原作コミックや往年のTVドラマ版のファンにはサービス満点の作りになっています。
ハルクの声はTVと同じリー・フェリグノだし(おまけにカメオ出演も!)、TV版のテーマ曲がアレンジして使用されているし、緑の巨人は最初のアクション・シークエンスで大暴れ。
いかにも「コイツは続編でアレになるな」と原作ファンをニヤリとさせる目配せもあり。

しかし、一般の観客目線で見ると、話の筋が「逃亡者モノ」であるところで、この作品は損をしているなぁ、と思います。
この筋もTV版を踏襲したものなんだけど、「逃亡者モノ」だと我々は「ジェイソン・ボーン」シリーズという傑作を体験してますからね・・・残念ながら、ルイ・レテリエの手腕はポール・グリーングラスの足元にも及んでいない。
そして、一般客には「固定ファンへの目配せ」が鼻につきすぎるのかもしれません。
特に、最終決戦でハルクが必殺技名を叫ぶにいたっては、さすがに私も吹きました。だって、

「ハルク・スマーッシュ!!」

ですよ(笑)
これは原作コミックでのハルクの必殺技、ウルトラマンで言うところのスペシウム光線に相当するもので、純然たるハルクファンには大喜びなんでしょうが・・・
そもそもこの映画の中では、ハルクという名はメディアが勝手に名づけたもので、ブルース・バナー(ハルクに変身する主人公)自身がその名を名乗る予兆(演出的仕込み)もなければ、ましてやその渾名が付いた技名なんてね・・・叫ぶキャラじゃないでしょ、エドワード・ノートンが。(まぁハルク状態の声はフェリグノなわけですが)
もうそれを耳にした瞬間、この作品は、なんとか漫画祭りと同じ地位に自分を引き摺り下ろしてしまった感があります。

そして、この作品のラストに仕組まれたもう一つの「目配せ」。
まぁぶっちゃけると、ラストに某社長が登場し、この作品がいずれは「アヴェンジャーズ」(マーベルコミックの主人公が総登場するシリーズ。映画化予定)へ繋がるクロスオーバーであることが明かされるんですが・・・
これがもうちょっとさり気ないものだったらなぁ、と。
ラストのオチにもってくるものだから、なんというか、まるで単体では意味を成さない「中継ぎ作品」みたいな印象が残っちゃうんですよね。
いくら予告編などが流れまくっているとはいえ、肝心の某社長映画が日本ではまだ未公開なわけですから・・・

と、いうわけで、マーベル映画のファンは壮大な伏線の1本なので必見。
そうでないフツーのお客さんには、まぁ、レンタルでいいんじゃないかな^^;

う~ん、なんかテンション低い感想になっちゃったな。
まぁ、同日に観た「ダークナイト」が凄すぎたんでね・・・そういう意味では公開時期も悪かったかな。
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by rushiha666 | 2008-08-13 21:13 | 映画感想‐SF・ファンタジー‐
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