ハプニング

c0154066_084842.jpgハプニング(原題:The Happening)

《あらすじ》
ある日突然、アメリカ全土からミツバチが姿を消したのを皮切りに、街で人が次々と倒れていく異常現象が始まる。
連絡も取れなくなり、情報はだんだん少なくなっていく。
原因も分からないまま世界はパニック状態に陥り、“何か”に人々は追い詰められていく…。

(Goo映画より転載)

私のM.ナイト・シャマラン度って意外に低くてですね、実は「シックス・センス」しか観ていなかったりします。と、いうようなことは以前書いたっけ?(←鳥頭)
まぁいいや。で、なんで「シックス~」以降を観ていないかというと「シックス~」が個人的に不満だったから。
だって、冒頭5分で読めてしまうオチを、ラストで「さあ驚け(ついでに泣け)」と言わんばかりにひけらかされても、コッチは醒めるだけですって。
途中の少女の霊のエピソードとか、好きなんですけどね。

と、いうわけで、私はシャマランの噂に名高い転落評価を身をもって体験してはいないので、所謂「シャマラン論」的な感想にはなりませんので、ご注意を。
あと、どうしても、ダラボンの「ミスト」、キングの「携帯ゾンビセル」を引き合いに出さざるを得ないので、それらを未見、未読の方はご注意を。
「ハプニング」は勿論、それらのネタバレもありますので。

では、追記部分に行く前に、大雑把な感想を申しますと、

私は結構好きだな。ただし全肯定は出来ないけれど。

って感じですか。
では、その全肯定出来ない理由を述べますと・・・



オチがないから。

実のところ、エンドロールが流れるまでは実に良い大スエサイド映画でした。
トレーラーではその死の瞬間を映していなかったので、それが「自殺」だっただけでもちょっと吃驚。
セントラルパークで静かに始まる連続自殺。
突然立ち止まり、意味を成さない言葉を呟いたと思えば、ある者は手にしていた鍵で、ある者は髪飾りで、そして工事現場での投身自殺ラッシュ。
人体が地面に叩きつけられる様がね、もう凄く怖い。
下に居た仲間が、「嗚呼、なんてこった」と事故を(当然自殺だなんて思いつきもしない)嘆く仲間の横に、さらにダーン!ダーン!と落ちてくる同僚の体。見上げると、さらに作業台から飛び降りる仲間の体、体、体・・・
怖いと同時に、さながらレミングの行進のごとき自殺の連鎖がもう不気味で不気味で。
拳銃自殺した警官の落とした拳銃を、棒立ちになっていた人が順繰りに使う様とか、まさにレミング。

主人公達は原因もわからぬままなんとなく安全に思える田舎を目指すわけですが、やがてそのド田舎にも、謎の自殺現象が起こっていることがわかり・・・
と、もう掴みは完璧ですよね。
憶測から現象の正体を推理し、彼らなりに安全な場所を目指すサバイバルの行程も悪くありません。
まぁ、サバイバルといっても、結局たった1日の出来事なんですけどね。
1日経ったら、怪現象は自然終息しました。おわり!というのが今回のオチだったりします。
勿論、怪現象の謎、実相は明かされぬまま。

ただ、私は「謎が明かされなかった」事には不満はありません。
ゾンビ映画なんかも、その謎が不明な方が、終末感が醸し出されて重みが増しますし、逆に安易な原因設定と、あまつさえ主人公がそれを解決できちゃったりすると、一気にチープになったりもしますし。
キングの「セル」なんかも、人物描写の物足りなさを別にしても、後半の現象自体への主人公達の介入の仕方は、ちょっと興醒めでしたし。

そして、似たジャンルである「ミスト」も、同じく自然終息型です。
なのに、何故「ハプニング」を同じく傑作と呼べないのかというと、それはやっぱり、「ドラマ的な盛り上がりの欠如」なんだろうなぁ・・・
「ミスト」は主人公達の状況に対する決死の行動が、逆に主人公を不幸のどん底に叩き落す負のカタルシスがありましたが、「ハプニング」にはラストを締めるべき展開がないんですよね。
ホント、「あれ?終息してんじゃね?」という感じで終わるという。
まぁ、リアルっちゃあリアルなんでしょうが・・・
監督の「どんでん返しがないのがどんでん返し」みたいな発言を見てると、「アンタ、目配せする方向間違ってるんと違う?」と思わずにはいられませんよね。

そんなわけで、全肯定は出来ません。
しかし、やはり得体の知れない不安感と、なにより全編にわたる自殺劇のオンパレードは純粋に面白かったですよ。
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by rushiha666 | 2008-08-10 02:58 | 映画感想‐ホラー‐
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