スカイクロラ

c0154066_1102489.jpgスカイクロラ(原題:The Sky Crawlers)

《あらすじ》
ショーとしての戦争が行われる、仮初めの平和の時代。
永遠に年をとらない「キルドレ」のユーイチは、新たに兎離州基地に配属となった。
過去の記憶のない彼だが、初めて乗る機体も身体に馴染み、エースの座に着く。
基地司令のスイトはそんなユーイチを複雑な眼差しで見つめていた。
そんなある日同僚のパイロット、ユダガワが撃墜され死亡してしまう。
墜とした相手は、「ティーチャー」となのる敵のエースパイロットだった……。

(Goo映画より転載)

「スカイクロラ」は実に大々的な宣伝をしていて、菊池凛子や加瀬亮、谷原章介に栗山千明のメインキャストへの登用や、絢香による主題歌の曲調からも、製作陣の「売る気」「メジャーっ気」は満々だ。
子供、親子連れがポニョなら、若者、カップルはコッチへ来い!
そんな声が聞こえてきそうだし、実際それが想定された客層なんでしょう。(+従来のコアな押井ファン)
その思惑は見事に当たり、開演前の劇場入口には(エヴァほどではないにしろ)列が並び、その中にはかなりのカップル、女性客がおりました。
しかし、しかしだ・・・
「嗚呼、押井監督もメジャー監督になっちまったんかなぁ」
と、一抹の寂しさを覚えつつを鑑賞したわけですが、
結局、いつもの押井映画でした(笑)
私も押井氏の才能を認めることにはやぶさかではないのだが・・・決して、けっして一般ウケする・・・などとは口が裂けても言えません。
つうか、いつものより敷居高くないかコレ^^;
だから、ちょっとあの宣伝の仕方はイクナイと思うんだ!
(あるカップルの途方に暮れた顔が忘れられません☆)

それにしても冒頭から引き込まれました。
OPスゴイよ。
突然始まる(CGの)ドッグファイト。
機体を穿つ機銃弾の精緻な描写、脱出したパイロットが機銃の直撃で霧散するまさかのゴアシーン。
鬼のようにツエー敵のエースパイロット《ティーチャー》の愛機《スカイリィ》・・・そして、砲火の途絶えた美しい空に浮かぶタイトル。
スタッフの表記を基地に帰投する飛行機にみたてたタイトルバック。(ちゃんと地面に文字の機影が!)

CGで描かれた地表や海面は、まさに実写そのもの。
だからこそ、リアルなCGとセルの間に違和感があるのが残念。
せめてリアル系(イノセンス的な)キャラデザインならば。
キルドレ=「子供」を、表現するためか、とてもシンプルなアニメキャラなので、そこは最後まで引っかかった点。
(コックピット内だとヘルメット被っちゃうので、問題ないんですけどね)

さて、問題はそのキルドレ。
この物語の最重要要素である、科学的に生み出されたらしい、不老不死の少年少女たち。
メインキャラのほとんどがキルドレであるので、作品の空気は必然的にキルドレ的になるわけで、全編が倦怠感に包まれています。
興奮とか高揚はナシ。
それはドッグファイトシーンにしても同じで、リアルで凄まじいクオリティのCGアニメが見れますが、そこに一切、カタルシスみたいなものはないです。
「紅の豚」を期待したりすると酷い目にあいますよ(笑)
(勿論マクロスFでも駄目w)

そのあまりに淡々とした展開に、全体を通してエンタテインメントとしてどうか、と問われれば、一般的に見れば確かに、「面白味に乏しい」という答えになるのかもしれない。

しかし、キルドレが「そう」である理由が断片的に明かされ、この物語が・・・あーっと、どうしよう。そのものズバリは書きたくないなぁ・・・そうですね・・・まぁ、ある意味「ビューティフルドリーマー」であることに気付くと、物語は別種の面白さを孕む。
前半の各キャラの何気ない仕草(ユーイチがなんとなく建物の屋上に視線を送るのも、スイトが折れたマッチを拾うのも)に、全て意味があったことがわかった瞬間、「これはイイ」と思いました。

ただ残念なのは、ユーイチの心の流れがイマイチ汲み取りきれないところ。
そこらへんの流れがもっと普遍的で、そして上映時間がもうちょい短ければ(久しぶりにお尻が痛く^^;)、まさしく狙う客層の心を鷲掴みに出来たんじゃないでしょうか。
まぁ、私が汲み取れなかっただけかもしれないし、最近の若い客層は、もしかしたらシチュエーションの提示だけでウルっときちゃうのかもしらんけど。(←何気に酷い発言)

そうそう、なにかと叩かれがちな声優ではない一般俳優のキャスティングですが、本作にかぎっては、その不安は杞憂でした。むしろGJ。
特に谷原章介と栗山千明は素晴らしい。遜色ないなんてもんじゃありません。プロ声優顔負けでした。

そんなわけで、最後にアドバイスを。
スタッフロールの途中では絶対席を立たないこと!大損しますよ~。

ところで、いつも押井作品で愛敬を振りまいていた押井監督の愛犬バセットハウンドのガブさんが、今作製作中に亡くなられたそうです。
ご冥福をお祈りいたします。
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by rushiha666 | 2008-08-05 11:45 | アニメ・特撮
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