HALLOWEEN(ロブ・ゾンビ版リメイク)

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c0154066_23354221.jpgさて、輸入版をとっくに購入しておきながらすっかり積んでいたロブ・ゾンビによる、ホラーの古典・スラッシャーの元祖のリメイク、「HALLOWEEN」(UNRATED DIRECTER'S CUT版)を、ようやく、観ることが出来ましたよ。
まずこのロブ・ゾンビ版リメイクのオリジナルとの差異は、マイケル・マイヤースの描写に重点を置いている点。
※以下、追記部分以前にも若干のネタバレあり!辛抱強く日本語DVDを待つつもりの人は要注意!!

マイケルの家族構成(低所得者階級で親父は飲んだくれ、母はゴーゴーダンサー、姉は若干ビッチ気味、そして幼い妹)、彼のプライベート(こっそり小動物虐殺癖アリ。でもちゃんと喋れるよ)、そして凶行に及ぶまでがじっくりと描かれます。
母親の仕事をネタにした苛め、その報復行為による最初の殺人を経て、ハロウィンの晩(母は仕事で父は泥酔。姉はエッチ)孤独な彼は凶行に走る・・・
彼は手始めに父親の首を裂き、姉のボーイフレンドを撲殺し(ちなみに原典では二人とも殺されていない)、姉を刺し殺す。
そして、血塗れの手で幼い妹にキスをし、ニッコリ微笑み囁く。「ハッピーハロウィン」

さらに精神病院でのルーミス医師(マルコム・マクドゥエル)によるカウンセリングの様子も丹念に描かれます。
健気にも面会に来る母親(監督の自慢の嫁シェリ・ムーン・ゾンビ)、しかしある時、彼は再び凶行に及び、絶望した母親は自殺し、ルーミス医師もカウンセリングを断念する・・・

ここまでで、実に、映画全体の3分の1を費やしています。
「デビルズ・リジェクト」でガッツリとドラマを描いてくれたゾンビは、ここでも見応えのあるドラマ、マイケル・マイヤースという純粋悪の権化を見せてくれます。
いやほんと、がぶりつきで観てましたよ、ここまでは。



ここから(ほぼ)原典どおりの展開(マイケルが脱走し故郷であるハドンフィールドに舞い戻り凶行を重ねる)に、なるのですが・・・
私が直前にオリジナルを観たせいですかね・・・以降の駆け足感がとても強い。
なまじ細部を合わせてあるせいか、余計にカットした部分が目立つんです。
原典で丁寧に積み重ねられた描写がかなり省略されてるわけで、なんともダイジェスト感が拭えないんですね。

そしてなにより、ヒロイン、ローリーのキャラクターが決定的に弱い!
このリメイクでは、原典の続編以降に取り入れられた「マイケルとローリーは実の兄妹」を取り入れており、余計にマイケルとローリーの関係性は大きいというのに、ローリーのキャラクターが完全に負けている。
せっかくローリーの養父母がマイケルに殺されるというイイ(可愛そうな、とも言う)シーンがあるにもかっかわらず、ローリーには埒外の事で、さらに、マイケルとの血縁関係を知ることもなく、ただのスクリームヒロインの位置にしかいないのは、どうにも不満でした。
それでいて前述の通り描写は激減ですからね・・・正直、病院脱走時の凶行をあそこまで綿密に描くより、もうちょい後半に注力すべきだったな、と思います。
(まぁ、でもあそこはダニー・トレホの見せ場としては、とても楽しめるのだけれども)

それに、マイケルがローリーに執着してるのは視聴者は了解済みなわけで、ただでさえ(一応)ヒロインなので殺されにくい展開では、ヒロインの窮地にドキドキするような緊迫感はゼロに近いです。
「この女、絶対殺されないダロ」、みたいな。

そして、ラストがなぁ・・・せっかく生家を最後のチェイスシーンにしてるのに、ただ冗長な追いかけっこ見せられて、もう没入感はゼロ。
例えばね?ローリーがおぼろげな幼少の記憶のおかげで脱出経路を見つけられるとかね、そういう因縁めいた要素があるなら、あそこのシーンも生きたと思うんですよ。
それが単なる「描写の足りない」「ただのスクリームヒロイン」を「殺人鬼が追いかける」じゃぁね・・・いや、普通ならそれでも文句は言わないんですよ。
ただのスラッシャー映画だったら、あれで十分以上なんです。
前半のマイケル周辺の描写が良いだけに、相対的に後半の価値が下がるシナリオの構成がイカンのではないか、と、言いたいんです。

前半で構築したドラマ性に、後半のスラッシャー部分が追いついてない。むしろ、足を引っ張っている。

思うに、特に原典に配慮せずに、むしろスラッシャーのテンプレートなどかなぐり捨てた方が良かったんじゃないでしょうか。
「マーダーライド・ショー」が悪いけ的でありながらもリメイクではなくあくまでオリジナルであったように、そして続編「デビルズ・リジェクト」でまったく別の地平に見事な着地を決めたように、最初から最後までマイケル・マイヤースの物語で押し通した方が良かったんじゃないか。
(一例ですが、母をあそこで退場させず、母と息子の物語した方が自分的には盛り上がったんじゃないかなぁ・・・)

そう、私は思うんですが、あなたはどう思いますか?

と、訊いたところで、日本版未発売なのでそうそうご意見はいただけないでしょうけどね^^;
まぁ、ともかく、演出力は確かなので、ゾンビは完全オリジナルをやればいいと思うよ!
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自慢の嫁を堂々と主演にしてさ!(そこはロドリゲスを見習って行こう!w)

それにしても・・・
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この目に対して「悪魔の目」ってのは、説得力があるなぁ。
こういう部分で原典に勝ってる部分もあるので、そこがひじょーに惜しい。
過去編の皆様は(特にちびマイケルとシェリ・ムーン母)存在感があって良かったものね。
なんでも、まったく趣の違う別テイクがあるらしく、それをちょっと観てみたいなぁ。北米でもそれを収録したDVDは出てないようですが・・・つくづく残念。

ん、ふと思ったけど、「マーダーライド・ショー」の後半の追いかけっこも、「もういい加減終わっていいんじゃね?」みたいな冗長感を覚えたのを思い出しました。
そこらへんが、ロブ・ゾンビの弱さなのかもしれない。(←偉そうな物言い)
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by rushiha666 | 2008-06-04 20:15 | 映画感想‐ホラー‐
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