クローバーフィールド/HAKAISHA

J・J・エイブラムスが徹底的な情報規制のじらし宣伝で大ヒットさせた「クローバーフィールド/HAKAISHA」(原題:CLOVERFIELD)を観てきました。
これがブレア・ウィッチ風フェイクドキュメント形式で撮られた怪獣映画である、というくらいのネタバレはもう許されると思うので、まず声を大にして言いたいのですが
怪獣映画好きは必見であります。
そして怪獣映画もピンキリではありますが、特に初代ゴジラ(1作目のみ、ね)と平成ガメラ・シリーズ好きには断然オススメしたい。
あと、フェイクドキュメントという形式のおかげでいわゆる「怪獣マニアへのみ目配せした作品」に終わってはいず、ディザスター映画としても十分鑑賞に堪えうる映画になっているので、コレはなかなか大多数にオススメできてしまうんじゃないかな~と思います。私は。

さて、さすがにこれ以上はネタバレなしには書けませんので以下追記で!



まずは、「一般市民が撮影したビデオ映像」という形式についてだけれど、さすがに、それにしてはキチンと映画になりすぎている、というのはどうしても感じてしまった。
「いやその場面でカメラどころじゃないだろう」
みたいな・・・
これは、引き合いに出される「ブレア・ウィッチ」も同様ではあるのだけど。
ただ、この欠点をある意味ひっくり返す「大オチ」がラストに仕掛けられていて、それですべてがチャラ・・・というか私的にはオールオッケーになるので、不問に付したいところです。

それにしても、フェイクドキュメントでありながらキャラクターの書き分けがとても上手くできていたのには感心してしまった。
勿論、ある程度ステロタイプではあるのだけれど、冒頭の「事件」が起こる前の映像の内容が結構後半にまで聞いてくるので、「退屈だー」とか言ってイイカゲンに見てると損しますよ?

というか、私は全然退屈じゃなかったけどね。
そういえば私は「デスプルーフ」のガールズトークも、退屈どころかとてもエンタテイメント性に富んでいたと思っているんですよね・・・(私が変なのか??)

そして、フェイクドキュメントという形式は「種明かし」を求めないので、無理やり主要人物を関係者に設定せざるをえない映画の文法からこの作品を解き放っていて(私の好きな平成ガメラにも、多少の無理はやはりある)、これが怪獣映画というジャンルへの気の利いたカウンターになっている。
なんといっても、この手法だと怪獣を倒さなくてもいいのだから、主人公が怪獣の弱点を発見するような無理やりな展開を挿入しなくていいんですよね。
主人公たちはただひたすら、混乱のNYを逃げ惑い、友人や家族の死に泣き叫び、愛するものの安否を気遣えばいいのだ。

で、ここで冒頭の「本編と全然関係ないような部分」が効いてくる。
そこに映されていた主人公たちの日常の姿によって彼らのキャラクターがしっかりと描かれているから、混乱のNYを右往左往する彼らの行動に説得力を与えているんですよね。
それは結末にも効いてくる要素で、「一般市民が撮影したビデオ映像」だからこそ、というオチが、なんともいえないブラックな後味を残してくれます。
(ちなみにここでのオチは前述の『大オチ』とは別)

勿論、それでもご都合主義的展開もなくはないのですが・・・それも「大オチ」がナイナイにしてくれるという・・・恐るべし、J・J・エイブラムス!

さて、いよいよその「大オチ」について。
そして、ラストシーンが過ぎ、スタッフロールが始まってから・・・そこからがこの映画の真骨頂
フェイクドキュメントの場合、エンドロールの扱いが難しいと思うんですよね。
たいていは、「以上が発見された実際の映像であり、彼らは今も行方不明のまま・・・」みたいな感じで仕切り直しをいれ、エンドロールになると思うのだけど、この映画は違う。
(以下絶対観る前に知って欲しくないネタバレにつき反転)

なんと、そこでこの映画は「フェイクドキュメント」の衣をかなぐり捨てる!
J・J・エイブラムスはそこで高らかに(おそらくニヤニヤしながら)宣言するのだ。

これが「ゴジラ」のパロディであると!!

だって、何故なら、しばらく無音であったエンドロールに徐々にかかってくる音楽、それは・・・

まぎれもない伊福部サウンド!!

もうね・・・私はあやうくスタンディング・オベーションでしたよ!
あのエンディングだったにもかかわらず、私ニヤニヤしっぱなし。
ハッキリ言います。
この「クローバーフィールド/HAKAISHA」こそ、
正統なUSA版GODZILA
ってことでいいですよ!
っていうか、J・J・エイブラムスの声が聞こえてきそうですよ。

「ったく、エメリッヒの馬鹿野郎が。あいつは怪獣映画のなんたるかをわかっちゃいねぇ!」

と、いう声が^^;
日常を突然破壊する恐怖の象徴、それが初代ゴジラが体現したものだから、そこから「怪獣を退治するための英雄的行為・結末」すら排除したこの作品は、ある意味初代ゴジラに近い(あるいはそれ以上の)純度を持っているともいえます。
だからこそ「怪獣プロレス」ではなく、「ラストにジャン・レノがニヤリとする映画」でもなく、「ディザスター映画」として怪獣オタク以外にも訴求すると思うのです。


(反転終了)
そんなわけで・・・私この映画のDVDは絶対買います
最近見た映画の満足度では、もしかしたら「28週後・・・」すら上回ってしまうかもしれません。
それだけ、気に入りました。
ぶっちゃけ今もニヤニヤが止まりません。

う~ん、手近に観たがる友人がいたのでサクっと観に行ってしまったのだけど、
これほどPONさんと観なかったのを後悔した映画もないな。
私の中では、怪獣映画=PONさんなのでね。
実に、PONさんの感想を聞きたいものです。
そんあなわけで、どうよ?ってか、今度予定聞くよ^^;観に行こうぜ!(私信でしたw)

そうそう、最後に。
全編ハンディカメラで撮影されてる、という設定なので必然的に手ぶれ映像が多用されるわけですが、公式サイト(予告編見れます)に警告が出ているように具合が悪くなったりとか、そういうのにはなりませんでした。
まぁ私は主観視点ゲームとかバリバリやって平気な人なので、特に耐性があるのかもしれませんが。

・・・さあて、これでやっとアガサさんかからないエンジンさんの感想が読めるぞー!

(うーん、勢いにまかせて書いてしまった・・・後で読み返すのが怖いぜ^^;)
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by rushiha666 | 2008-04-13 00:17 | 映画感想‐SF・ファンタジー‐
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