[けだもの]感想(1)

c0154066_22533146.gifさて、やっとこさ「けだもの」感想ですよ。
ただ、「セル」同様分割感想ですが。
最近ただでさえ読書ペースが遅くなっていたのですが、先日の棚卸徹夜で通勤時間が完全に睡眠(もしくは単にほうけている)時間になってしまい、ほとほと困っています><
そんなわけで、とりあえず第1部「ノーラ」の、さらに第4章までというていたらくでお送りいたします。
だってだって。第1部だけで300ページもあるんですよぅ~。という泣き事的理由もあるんですが、語るには丁度良い区切りであることも確かでして。
さて、前置きはこれくらいにして、あちらで映画公開(DVDスルーの可能性もあるけど)を控えたスキップ&スペクター著「けだもの」感想(1)は下の「more」からどうぞ。
ちなみに、基本的ネタバレあり、しかも再読感想につき後半の展開に言及する可能性もあります。
まぁ、絶版本だからいいよね?



最初に、これは人狼小説です。
いやはや、最近は「狼」が私にとってのラッキーなイコンになりつつあります。

「セル」の人間描写の薄さに落胆した身にとっては、「まってました」という滑り出し。
主人公シド(ちなみに男ね。『ダーウィンの剃刀』でシド=女性名詞と刷り込まれていたので最初は違和感で苦しみました・・・って俺だけかw)の境遇と内面(いかに彼が絶望し落ちぶれかけ、なんとか踏みとどまっているか)が、丹念に描かれます。
そして、印象的な《狼》との森での邂逅。
神々しい狼は、シドを襲うでもなく、森の奥に姿を消す。
その邂逅が白昼夢であったかのように彼はそのまま日雇い仕事に向かい(工場の誰も信じてくれない・・・狼ってアメリカでもレアなのね・・・)、そうして帰宅したシドを待ち受けていたのは、一通の離婚証明書。
そこから、彼の結婚生活の幸福なはじまりから、絶望的な終焉までがたっぷりと(とはいっても20ページ程度だけど)描かれる。

こうして見ると、ダウナーな欝描写が序盤から蓄積されるようで、面白くもなく退屈以前ってな印象を与えるかもしれない。しかし。
これがグイグイ読ませてくれる。
単に文章(訳文)のテンポが私の好みなのか、単に同じくX-01型(笑。この表現無駄に格好良くて好き)な境遇の主人公に感情移入しやすいからか、そこらへんはわからない。
ともかく、じっくり描き込んでいるにもかかわらず、読み進めるのが気持ちいいのだ。

そして、その回想の中で、重要な人物が紹介される。
バー《カメレオンズ》のバーテンダーで、友人のジュールズだ。
夫婦生活が破綻し、自暴自棄だった主人公を諭し、励まし、そばにいてくれ、そして『ここ一番という時に歯に衣着せぬ批判』を与えてくれた男が、ジュールズ。
その、離婚証明書が届いた晩も、シドは《カメレオンズ》へ足を運ぶ。
その《カメレオンズ》もまた重要な舞台で、「主人公がよく通う酒場」以上の意味を持っている。
この《カメレオンズ》こそが、この小説のメインステージと言ってもいいくらいに。
だから、バーテン・ジュールズと店の描写にも余念がない。
カクテルを作る様も仔細に描写されるのには、だから当然理由がある。
(勿論、この時点で読者にはわからない伏線なわけだけど)
ちなみに、チラリと姿を見せるウェイトレス・ジェーンは、この時点では名前をすぐ忘れてしまうくらいの端役だけど、実は後半メインキャラに昇格したりする。
(こういうサプライズもまた好きだなぁ)

こうして、色々な仕込がされつつ、打ちひしがれた男の前に、一人の女が現れる。
それが、「ローラ」
いよいよ人狼の登場です。(つづく~)

・・・しかし、ここまで書いてはたと気付いたのだけど、コレ感想じゃなくて粗筋じゃないか><
ん~、次回はもうちょい感想っぽくなるよう善処します(泣
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by rushiha666 | 2008-02-26 23:09 | 小説
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