[セル]携帯ゾンビ感想(4)

c0154066_23513572.jpgさて、4章「薔薇が萎れて、この庭はもうだめ」の感想です。

私がクレイやトムやアリスやジョーダンにさほど思い入れを持たないのは、おそらくキングの文体(というか手法)のせいだと思う。
この4章「薔薇~」において、あるキャラの最期に(同じキング作品の『骨の袋』のあるキャラの最期と比較するまでもなく)さして悲しみを感じないのです。
それより気になってしまうのは、<ラゲディ・マン>に象徴される、その不可思議な現象なんですよ。

・・・ん~このキングにしては薄味な描写はちょい物足りないな。
<パルス>以前の描写がないせいかな?
クレイの息子への執着も、父親なんだから当然のことかもしれないが、どうも心に響かなくって・・・

A・J・クイネルの「燃える男」を引き合いに出してみよう。
「燃える男」において、ある人物の死が主人公の苛烈な行動の原動力になり、その行動の成功を読者も一心に願い応援するようになるのは(読んでみればわかるが、あなたも絶対応援する)、ひとえに、その人物と主人公の交流、ゆるぎない絆が丹念に描かれているからに他ならない。
ひるがえって「セル」を見ると、主人公クレイとその息子の描写は今のところ「二人が親子であり父親は息子を愛している」という事実関係のみ。
これだけで感情移入できるほどの父親属性を、私は持っていないというコトね。

昔のキングなら<パルス>以前に1冊分は費やすんじゃないかな?
ってのは、ちょっと回顧主義がすぎますかね・・・
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by rushiha666 | 2007-12-24 23:51 | 小説
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